気持ちよい日だ。
すれ違うケバケバしいお姉様達の話し声も
長かった寒さに解放されてどこかほんのり浮き足だって聞こえる。
こんなことしたいわ
あんなこともしたいわ
それいいわ
これもいいわ
あれ欲しいわ
あれも欲しいわ
えーっと…
いや、もう全部!全部欲しい!
全てを叶えられるような、全て手に入れられるような、
そんな気分にさせる日だ。
あたしに無い性質を認めない輩にさえ
一枚上手にちょいっと降参させちゃえるくらいの賢さを得ることすら
いとも容易いことの様に思わせる、そんな透明な空。
眩しい。
あまりの眩しさに失われるバランス―
道行くみんなみんながこの目のなか端っこになって消えてゆく。
春へ向かう穏やかな、ありふれた非日常。
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