ピアノが上手な子がいました。
それはそれは上手で、
みんなはその子をとても羨ましがりました。
ある日、1人が彼女に尋ねました。
「どーやったらそういう風に上手にピアノを弾けるの?
何を考えてピアノを弾いているの?」
その子は初めて考えました。
自分がどうやってピアノを弾いているのか…
何を思ってピアノを弾いているのか…を。
でも結局答えは解りませんでした。
それからというものその子は
一切ピアノを弾くことが出来なくなりました。
とても真面目な子だったのでしょう、だってね。
大人になればなるほど、つくづく思う。
あれほどまでに「真面目に生きなさい」と言われて育って
できるだけそれを守って生きていこうとしているだけなのに。
真面目っていけないことなの?
真面目でいて、果たして得なことがあったのだろうか?
ましてや真面目であったが故に
わたしは歌うことさえ出来なくなってしまったのだろうか?
もしもそうなら…わたしは真面目なんて捨ててやる。
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